TMB Tone Stack Tube Overdrive Pedal High-Voltage
真空管オーバードライブエフェクター自作 180V高電圧動作
Russian Tubes 6N16B subminiature tube + 6N2P miniature tube
真空管オーバードライブエフェクター自作
DIY tube drive overdrive pedal
・TMB Tone Stack
・6N16B + 6N2P Russian Tubes
・Hammond 1590B saize
・12V to 180V DC/DC Boost UP
高電圧オーバードライブ弐号機、前回の反省も踏まえ今回は本格的に製作してみました。
真空管の機材は大きく重い物、小型であればあるほど優位ですとのアドバイスも頂きましたので、なるべく小型にHammond1590Bケースサイズでの製作となりました。
トーンコントロールは私にとっては鬼門で、Fender,Bigmuff,Hiwattなどの特色や実際の使用感もアドバイス頂いた結果、余り冒険せずにマーシャルのTMBトーンスタックと致しました。
また、Variable Overdriveはネット検索中に気になる記述が有りましたので、追加してみました。
・The Electric Piano Forum > Designing/building a preamp for a Stage Rhodes
球は価格的に安価なロシア球とし、発熱の点とスペース的問題から変則的にサブミニチュア管とミニチュア管の使用としました。
また、球の配置は持ち運びの容易さから本体に内蔵しミニチュア管より発熱の有るサブミニチュア管は端に寄せることとしました。
なお、サブミニチュア管のみで構成した場合、球自体が高温となり、輻射熱も有りますので、現在よりケース内温度は上がるのでは無いかと思われますので、放熱的検討も必要かと思われます。(現在の構成でも触れないほどにはなりませんが其れなりに熱をもちます。)
(2019.05.01)
ミニチュア管2本は容積的に難しいので、サブミニチュア管を追加。
6N2P は12AX7 相当 ミニチュア管
6N16B は12AU7 相当 サブミニチュア管
となります。
(2019.03.03)
ヒーター電源に冷間時のヒーター抵抗値よりラッシュ電流を考慮します。
冷間時、6N2P:4.8Ω 6N16B:6.8Ω
サブシャーシを追加して組み付け。
サブミニチュア管は6021 Guitar Amp 同様にICソケットピンを利用。
(2019.03.10)
回路構成案
・6N16B>TONE>6N16B>6N2P>6N2P
・6N2P>6N2P>6N16B>6N16B>TONE
・6N2P>6N16B>6N2P>6N16B>TONE
SRPPでトーンドライブはゲイン的に断念
HOTBOX DISTORTION
この辺りを参考に考察。
ほぼマーシャルのプリアンプ段の回路です。
最終的にゲインを絞って出力する訳ですから通過ロスの大きなトーンスタックを最後に入れるのが効率的かと思いますし余り絞るとハイ落ちするのでこれがベストな気がします。
球は6N17Bが正解な気もするが一先ず手持ち部品で組み上げてみます。
(2018.03.12)
UC3843N Ver2.0でDC-DCコンバータを組み上げ。
発振周波数70KHz
FETは面実装TK6Q60Wを使用。
インダクタは太陽誘電LHLC08NB 221K のモールドを剥がし使用。
基板は表面実装ユニバーサル基板0.3mm使用
FET回りグランド強化しましたが特に効率的に変化は有りませんでした。
5mA 抵抗負荷にて測定 | 入力電圧 |
入力電流 |
出力電圧 | 出力電流 |
変換効率 |
スミダ 面実装 100uH | 12.48V | 144mA | 200.1V | 5mA | 66% (55%) |
スミダ ラジアル 120uH | 12.48V | 132mA | 200.1V | 5mA | 73% (60%) |
太陽誘電 ラジアル 220uH | 12.48V | 124mA | 200.1V | 5mA | 79% (64%) |
無負荷時 | 23mA | 0mA |
*変換効率は無負荷時23mAを差し引き計算 、( )は無負荷時23mAを含む効率
前回製作DC/DCが5mA負荷時134mAでしたので、軽負荷時は太陽誘電220uH辺りがベストと思われます。
(2019.03.20)
ヒーター用に個別にDC/DCを使用しましたので、左側に2枚装着
6N2Pは触れる温度ですが6N16Bの方がヒーター電流も流れ高温となります。
ケースを1590Bサイズと決めてしまいましたので、この構成ですが余裕が有ればMT管の方が気を使わなくて済みます。
6N2Pはシリコンのダンパーリングで上下ケースに押さえつけられますので、振動で動くことは有りません。
6N16は別途釣って動かないように収めます。
ロシアから6N17B到着。
場合によっては此方を使用します。
>今回は出番無しでした。
(2019.03.21)
DC-DCコンバータの組み直し。
鳴らしてしまえば気にならないのですが、無音時にヘッドホンでモニターしますとホワイトノイズに混じり若干のノイズの混入がみられましたので、NJM2374ADで組み直ししました。
試作UC3843では問題無くクリヤーなので、実装上の問題かと思われるが原因がつかめず。
なお、180V 4mA程での使用となります。
(2018.04.18)
高圧DC-DCを組み付け。
球と近接するIN/OUTの配線と高圧DC/DC部分はポリイミドテープで断熱します。
ノイズの混入も無く良好となりましたので、この状態で様子を見ます。
(2019.04.21)
GAINトリマーは中央で100mV入力時に十分に歪みましたので、固定定数でも良いようです。
DRIVE 220p は不自然な感じなので、取り外しました。
Variable Overdrive は激的に変化するものでは無く、歪の太さが変わるものとなりますがバイパスコンの容量も含め研究の余地が有りそうです。
ヒーター電源6.3Vラインに6.8Vツェナーダイオードを入れておりますが之はモジュールが不良となった場合の過電圧保護としておりますが効果の程は?ショートモードとなりACアダプターの過電流保護回路が動作するはずです。
シミュレーション的にはOKでTONEも歪み具合も良いようなので、暫くテストに入ります。
(2019.04.24)
本体を小型に組みましたので、電源も小型軽量のノートパソコン用のACアダプターを12.6Vに電圧変更して使用しました。
後々の使い回しのために電圧変更致しましたがヒーター用にDC-DCを使用しておりますので、電源ラインのコンデンサーの耐圧を合わせればそのままの電圧(16V)でも使用可能な物となります。
ペダルスイッチ左に1mmの穴を開け青のLEDで切り替えのインジケーターとし電源のインジケーターは6N2Pを赤のLEDで照らしました。
(2019.04.25)
・本体重量:224g ・ACアダプター:229g
使用感
I氏:BASS.MIDの効きが悪い。TREBLEは良好。Variable Overdriveは変化がわからない。
>低域のフィルターをかけているので、初段のカソード1uFとパラに10uFを切り替えで追加し若干低域を上げてみました。
あまり低域を含めてオーバードライブさせますとドロドロになるので、ドライブ段はそのままとしました。
追記:Variable Overdriveは低い音で弾いた時に違いがわかりやすく、抵抗値を小さくする方向にすると図太い音になるとのことです。
なお、ツマミ位置は12時で1.5kΩとなるように取り付け時計方向に回しますと抵抗値が下がるようにしました。
(2019.05.27)
R氏:早速、ほんの少し試してみましたがとても良い感触です。
・マーシャルサウンドに近いでしょうか、
3バンドで真空管プリアンプのようなオーバードライブのような感触ですね。
・ベースとミドルはギターの本体の音をそんなに変えないので、そことボリュームを先ず決めて、一番効きがいいトレブルを耳が痛くない程度にあげていく使い方が実践的かなという印象です。
・Variable Overdriveはモダンなマーシャルの(JVMなど)
レゾナンスというようなイメージでEQの低音とは別の部分の低域を効かせるための1つのEQ的に使ってみるのが正しいのかなと。
とはいえ、まだ数十分しか試していないので、こちらのプリアンプを使用して、色々なケースでレコーディングをして実験して、またご報告させて戴こうと思います。
(2019.06.10)
1590Bケースに拘っての製作でしたが、一回り大きな形状での製作で良いのであれば
6N2P + 6N2P でヒーターは直列にして12V電源にすれば良いかと思います。
また、ペダルスイッチとボリュームを追加して、初段をプリアンプ切り替えとするのも良いかと。
(2020.10.10)